幽  霊


 小さな部屋のなかの塵
 雪は堅い窓ガラスの上で甲高い音をたて
 暖房機は敷居の下でシューシューと音を立て
 四隅を占める暗がりは
 そこにたたまれ置かれているセーター
 深々とした安楽椅子
 オークの机の表面
 敷物、本棚をボンヤリと包む
 私たちの目は徐々に此処にあるものに気づき
 それぞれのものに戻ってくる
 私たちの指はそっとしていて
 私たちの体は注意深く動かず
 何か出てきはしないかと、誰かが息をしていないかと
 漏れてくる言葉はないかと、耳を傾ける ―
 その静けさ
 
 それから街灯がつき ・・・
 床の上に黄色い光がゆらめき
 部屋は暗くなる
 けれどなにか強烈なものが私たちと共にある
 私たちは絶対にこの家から出てはいかない

 

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