野生の恋人たちが動物たちの隠れ場所をみつけると
その唇はほほえみでゆがみます、
松の森ではひそやかな落ちた針葉の下に昆虫たちを、また
石の下にみみずたちを偶然にみつけ、
激しく疾走し身悶える生命たちが
避難場所に戻るのをみとめると
ほっとします。
野生の恋人たちは無感覚な石ころや
朽ちかける材木や覆う葉っぱやほら穴などをもそのままにしておき
何者をも傷つけるはことしません。
野生の恋人たちは
さざなみの立つ流れの浅瀬でじっと動かずにいる
まだら色の鱒を見つけてもそのこころの静けさをかき乱すことはしません
また、コヨーテたちが薮の中で狩をしたあとで横たわった
おしひしがれた草むらをもみくちゃにするようなこともしないし、
ブユムシクイやツムギモドキやミソサザイなどが
サボテンの木に作った巣をとり壊すこともしないし、
ガラガラ蛇が眠る
温かな岩盤の上を踏み荒らすことなどもしません。
私たちには野生の恋人たちが私たちを承認してくれていることがわかります、
そして私たちが野性化しさらにその野性化を強めて
飢に狂ったオオカミのように獰猛になったとしても誰も私たちを傷つけることはないのです。
私たちは、野生の恋人たちがまろやかな水をたたえる秘密の泉をも隠そうとはせずに
困惑しながらも私たちにほほえみかけていてくれることを見てきました
野生の恋人たちは誰にも知られることなく、注目されることもなく
あるいは深い澄んだ井戸の中にあって、すべてのよろこびの根源として存在します。